「新郎シークス、汝はシルフィードを妻とし、病める時も健やかなる時も、死が二人を分かつまで愛しつづける事を誓いますか」
「はい、誓います」
「新婦シルフィード、汝はシークスを夫とし、病める時も健やかなる時も、死が二人を分かつまで愛しつづける事を誓いますか」
「うむ、誓おう」
今日は、シルフィ達の結婚式。
シルフィを蘇生させた縁で私達にも招待が来たのだが、私達の連絡先が分からず、とりあえず魔王協会の本部宛に招待状を送ったところ、かなりの余裕を持って送られた招待状は、彼方此方をたらい回しにされて、結婚式当日の朝にようやく私の手元に届いたのだった。
永久は、シルフィ達を憧れの瞳で見ながら呟いた。
「シルフィ、綺麗ですね」
彼女の横顔に問いかける。
「永久も、いつか結婚したいと思いますか」
御主人様(私)と結婚したい、とでも言うのかと思ったのだが……。
「……そう言えば御主人様、シルフィ達は何をしているのですか?」
「……そう来ましたか」
どうやら、結婚という概念自体を知らなかったらしい……。
永久は基本的に賢い娘なのだが、特殊な環境で育ったせいか、たまに常識を知らない事がある。
さて、どの様に教えましょうか?