「あなたの望みは何ですか?」
「わたしの……、のぞみ?」
「大雑把すぎましたね、私が言いたいのはあなたがこれからどう生きていきたいかです、たとえば普通の人間として生きて生きたいというのなら、そのために必要な全てを用意しましょう、あなたを捨てた家族に復讐したいと言うならそれも可能です」
「はえ? よくわかりません……」
「それならばこれからじっくりと考えれば良いですよ、私は何時まででも待ちますから」
「はい、ごしゅじんさま!」
「御主人様?」
「かっていただいたかたのことを、そうよぶようにおそわりました」
……まあ、良いか。
「あれから百年ですか……」
「ところで、あの時聞いた永久の望みは見つかりましたか?」
「はい、私の望みは御主人様と一緒にいることです!」
愛おしさがこみ上げて、つい永久を抱きしめてしまった。
初めはただの気まぐれだった、この子を私の歩む永劫の旅路に付き合わせる気など微塵もなかった。
しかし、今はこれで良いと思う。
そして最期の瞬間においてもなお、それを望むのであれば、私は……。