魔術の分類『概要』

 現在、魔王協会を始めとする世界間組織に置いて、魔術と呼称される技術は大きく二つに大別される。
 すなわち、『魔力操作型』と『世界律制御型』である。

 魔力操作型魔術は、大気中や生命体の内部に存在する魔力を、任意の事象に転化させる技術である。
 使用に魔力が必要である反面、魔力さえ用意できれば大抵の世界で調整なく使用可能であり、修得も比較的容易である。
 また、火炎や冷気と言った、単純な物理現象を発現させる事に適している。

 世界律制御型魔術は、各世界の世界律に干渉し、任意の事象を引き起こす技術である。
 魔力の確保が不要である反面、(各世界の破壊を目的とする場合を除いて)各世界の世界律に合わせた入念な調整が必要であり、修得も困難である。
 また、魔力操作型魔術では困難な時空移動や世界の創造と言った大規模干渉に適している。

 その他、一部の未開世界に見られるその世界特有の技術や、特定の個人や種族、血統に見られる、後天的な鍛錬による拾得が不可能な特殊能力も魔術と誇称する場合があるが、此処では割愛する。

――魔術理論基礎教本より抜粋。